KeiのMBA回顧録──MBAで起業する人はどのくらいいるのか?

前回は少し僕が起業するきっかけについて話しましたが、実際MBAを卒業して起業する人は、どのくらいいるのか?
――実は、ほとんどいない。僕のいたNUSでは、同期の中で起業したのは数名ほど。つまりMBAで起業する人は、かなりの“レアキャラ”だ。(たぶんポケモンでいうミュウくらいの出現率)

今日はMBAと起業についてブログを書きたいと思います✒️ 変化球で申し訳ないですが今日はMiloを飲んでます☕️ そう、あの“ミロ”。でもなんで日本では“ミロ”って読むのに、英語だと“マイロ”なんだろう?

目次

スタートアップを学ぶ学校ではない

MBAというと“スタートアップの巣窟”をイメージする人もいるが、実際のNUSでは、会計・マーケティング・経済学などのコア科目が中心だ。スタートアップ関連の授業は選択制で、興味がある人だけが取る。クラブ活動で起業家を招いたイベントやネットワーキングはあるものの、それも“雰囲気”を味わうレベルに近い。つまり、MBAは「起業のノウハウを教わる場所」ではなく、ビジネスの構造を学ぶ場所。

実際、世の中で名を残した起業家の多くは、MBAどころか大学すら卒業していない。アメリカでは、マーク・ザッカーバーグやビル・ゲイツのように“中退して世界を変える”物語がいくつもある。一方で、アジアではまだそうした例は少ない。教育や安定の価値が根強く、“失敗は避けるもの”という文化が残っているからだ。
だからこそ、アジアでリスクを取って挑戦する人間は、それだけで希少な存在になる。

起業は、学ぶものではなく“やる”もの

MBA在学中、僕はずっと考えていた。「ビジネススクールは、起業を教えてはくれない」っと。

でも、今思えば当たり前だ。起業に教科書はない、必要なのは一歩でも踏み出す勇気だった。社会人時代の僕は、「まだ起業の準備が整っていない」と言い訳を繰り返していた。だが、アジアNo.1のNUS/MBAに進んでも“起業の答え”は見つからなかった。だから僕は、こう結論づけた。

「ないなら、もう自分でやるしかない」

それが、CanCan株式会社を立ち上げた最初の一歩だった。ちなみに、“CanCan”という社名はシンガポールの日常会話から来ています。こちらでは“Can or can not?”と聞かれたときに、“Can lah!” や “CanCan”と、軽やかに返すのが定番なんです。とてもシンプルな言葉ですが、覚えやすく中毒性があり、また可愛いのに前向きで、可能性を信じるような明るさがあります(笑)僕たちの合言葉は “Can or Can not? CanCan!!”。一人ひとりが持つ“できる力”を信じ、海外に挑戦する人を応援する――それがCanCanのミッションです。

それでもMBAの学びは確かに生きている

でも実際に起業してみて思ったのは、MBAの知識は想像以上に“使える”ということだった。

たとえば銀行への融資プレゼン。数字や売上計画を見せるだけじゃ終わらない。事業の社会的意義、ビジョンの一貫性、法的なリスク、そして“倫理的にそのビジネスは本当に持続可能なのか?”まで、あらゆる角度から質問が飛んでくる。その瞬間、自分がMBAで鍛えられた“多角的に考えるクセ”にどれだけ助けられたかを痛感した。ファイナンスだけじゃなく、マーケティング、オペレーション、倫理観、そしてリーダーシップ。どの講義も“机上の空論”ではなく、現場での判断力を形作っていた。実際の起業はケーススタディより100倍カオスだけど、あの3年間で身につけた思考の筋肉が、今の僕を支えている。

まとめ:MBAは起業の“きっかけ”になる

まとめると、MBAに行っても起業する人は少ない。でも「起業したいけど、どうすればいいか分からない」って人にとっては、環境としては最高のトレーニングジムかもしれない。実際に起業後に分かったことだが、MBAで学んだ知識やマインドセットは役立つ場面が多く、そして今でも僕の中で生き続けている。でも、ビジネススクールに過度な期待は禁物。あなたの行動次第です(笑)実際、僕の友人はMBAで出会った仲間と起業した。一方で僕の場合、MBAが最後の背中押しになった。“もう、自分でやるしかない” それを本気で思えた瞬間、MBAが「卒業証書」から「覚悟証書」に変わった。

MBAの授業でプレゼンしているKei
NUSの学びは起業後も僕の中で生き続けている

👉 次回予告|Vol.19


応募書類は英語スコアだけじゃない

CV(職務経歴書)とエッセイは、いわばあなた自身のドキュメンタリー。数字や肩書きだけじゃなく、どんな挑戦をして、どう成長したか。そして、MBAで何を得て、どんな未来を描いているのか。スコアでは伝わらない“生きたストーリー”をどう言語化できるかが勝負。

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