KeiのMBA回顧録──MBA後、みんなはどこに就職していくのか?

前回のブログでは、「なぜ僕はNUS/MBAで起業を選んだのか」というテーマで書きました。今回は少し視点を変えて、「では、MBAを卒業した人たちはどんなキャリアを歩んでいくのか?」についてお話ししたいと思います。今日は香港でミルクティーを飲みながらブログを書いてます。香港はレモンティーもとても美味しいんですが、僕はミルクティー派です☕️

🇸🇬まずはシンガポールに残る人の割合

僕の母校であるシンガポール国立大学(NUS) の場合、ざっくり卒業生の約3分の1がシンガポールでそのまま就職している印象です(フルタイムMBA)。たとえば、僕のバッチ(2021年入学)はフルタイムの日本人が10人ほどいましたが、そのうち約3人がシンガポールで就職しました。他の学年を見ても、だいたい似たような数字です。

この数字を「多い」と見るか「少ない」と見るかは人それぞれですが、背景を考えると妥当だと思います。というのも、社費留学の方は日本への帰任が前提ですし、最初から日本や他国での就職を希望している人もいます。つまり、「残る・戻る」は個人の事情とキャリア戦略による部分が大きいんです。

💼MBA後の就職先は“人それぞれ”

MBA後のキャリアパスは本当に多様です。たとえばSMU(シンガポール経営大学)の2023年卒業生データによると、金融16%、IT16%、製造業16%、コンサル13% etc という内訳になっています。

MBA後の就職先(SMU2023年卒業生のデータより)

数字だけ見るときれいに分かれているように見えますが、実際のところは「バックグラウンドの延長線上」での転職が多いです。前回も書きましたが、MBAはキャリアの“魔法”ではなく、“選択肢”のひとつにすぎません。MBAが全てを変えるわけではなく、過去の経験をどう活かすかがポイントです。

🧭日本人MBA卒の実例:広告業界からグローバルキャリアへ

僕の仲の良い日本人の友人の例を紹介します。彼はMBA前、博報堂でBusiness Directorとして活躍していました。当時は食品業界のクライアントのインドネシア市場支援を担当し、そこからアジアの成長市場やグローバルキャリアへの関心が芽生えたそうです。しかし、当時の博報堂ではグローバル案件が限られ、海外駐在のチャンスも少なかった。「海外でビジネスを動かす力を身につけたい」と思い、彼はシンガポール国立大学のMBAへの進学を決意。

MBAでの多国籍チームでの学びと実践を通じて、卒業後はユニクロのグローバルマーケティング部門に転職し、現在はGoogleでグローバル業務を担当しています。広告業界からアパレル業界への転職というと大胆に聞こえるかもしれませんが、実際にはマーケティングというコア・経験・専門性をベースに、キャリアを“横に広げた”好例です。MBAを通じて「経験をグローバルに変換する力」を身につけたことで、彼は次のステージへ進むことができました。

✍️まとめ:MBA後のキャリアは「多様」だからこそ「自分軸」が大事

MBAをきっかけに、キャリアは国境を越えて本当に多様に広がります。シンガポールに残る人、日本へ戻る人、別の国へ挑戦する人――その行き先は人それぞれです。大学3回生や4回生のとき、将来の進路に悩んだ経験がある人も多いと思います。実はMBAでも、まったく同じことが起きます。自分の価値観、得意なこと、将来どんな自分でありたいか――それを再び見つめ直す時間になります。

ただ、ここで大切なのは理想論ではなく現実との接続。これまでの経験とMBAでの学びをどうリンクさせるか。そこに“再設計されたキャリア”の道筋があります。MBAは魔法の杖ではありません。でも、自分の経験を再定義し、次の挑戦へとつなげるための強力なブリッジになります。だからこそ、MBAは「終わり」ではなく「スタート」なんです。

👉 次回予告|Vol.20


応募書類は英語スコアだけじゃない

CV(職務経歴書)とエッセイは、いわばあなた自身のドキュメンタリー。数字や肩書きだけじゃなく、どんな挑戦をして、どう成長したか。そして、MBAで何を得て、どんな未来を描いているのか。スコアでは伝わらない“生きたストーリー”をどう言語化できるかが勝負。

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