シンガポールは一年中とにかく暑い。でも、そんな国でもクリスマスは一大イベント。街を歩けば、ショッピングモール、オフィスビル、ホテル、ありとあらゆる場所にクリスマスツリーが飾られている。個人的には暑い国でのクリスマスは少し違和感があるが、そんなことにも7年もシンガポールにいると慣れてくる。これまで何度か書いてきたけれど、ビジネススクールは多様なバックグラウンドの人を求めている。そう、MBAはとにかくダイバーシティが大好きだ。今日はシンガポール国立大学(NUS)の授業を受けながら僕自身が感じたダイバーシティについて、Kopi Cを飲みながら、ゆるく書いてみようと思う。
クラスメイトのWei君の話
NUSのパートタイムMBAで出会ったクラスメイトに、Weiというシンガポール人がいる。同じパートタイムMBAで、しかも帰る方向が同じだったこともあって、授業終わりに何度も家まで送ってくれた。とにかくナイスガイ。控えめで、誠実で、いいやつ。そんなWeiとの授業で、今でも強く印象に残っている出来事がある。
ある日、プレゼンテーションの前に、彼が僕にこう聞いてきた。「どうやったら、緊張しないで人前で話せる?」正直、ちょっと驚いた。完全に僕の勝手なイメージだけど、MBAに入る前の僕は、MBAの学生ってもっとこう…
- コンサル業界にいそう
- 話が達者で積極的
- ドラマや映画に出てくるThe Leaderみたいな人たち
そんな印象を持っていた。プレゼンテーションなんて、すでに仕事で何度もこなしていて、みんな自信満々で話すんだろうな、と。
Weiはバリバリのエンジニアだった
でもWeiは違った。彼は製造業で長年働くエンジニア。すでにエンジニアとして修士号も持っているのに、さらにMBAで2つ目のマスターに挑戦中という強者だ。勉強嫌いの僕からすると、なんでそんなに勉強するんだ…?って思うけど(笑)20年近く製造業の現場で、ずっと機械と向き合ってきたスペシャリスト。ただ、彼はこう言っていた。「実は、お客さんの前とか、人前で話す経験はほとんどない」それでも将来は、経営層として意思決定に関わる立場になりたい。そのためにMBAに挑戦している。そんな努力家なWeiを僕は心から尊敬している。
まさか自分がアドバイスする側になるとは
僕自身、Weiからそんな相談を受けるとは思っていなかった。でも、プレゼンテーションはこれまで仕事で何度も経験してきた。だから、自分なりにアドバイスをした。
- 構成の考え方
- 視線の置き方
- 完璧に話そうと思わない、自分らしく
おそらくWeiは、人の倍以上は練習してきたと思う。結果、彼のプレゼンはエンジニア出身らしく、非常に論理的で分かりやすい内容だった。プレゼン後、思わず伝えたのを覚えている。めちゃくちゃ良かったよ!!
MBAが実践的だと思う理由
以前、MBAのグループワークが面白いと書いたけれど、まさにこういうところに理由がある。
- バックグラウンドが全然違う
- 得意なことも、苦手なことも違う
- それでも同じチームで成果を出さなければいけない
どうすればチームとして高いパフォーマンスを発揮できるのか。試行錯誤しながら、協力して前に進む。これって実は、グローバルな企業で働いていると日常的に直面する課題そのものだと気づいた。NUSのMBAは、多様性を理解するだけでなく、ダイバーシティの中で成果を出すための、極めて実践的なトレーニングの場だったと思っている。


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